のぼり旗というとゴツゴツした宣伝のためだけのツールというイメージが強いですが、最近ではその使われ方もずいぶん変わってきました。“おしゃれでキレイな感じ”というのが第一印象なのは、東京・大阪・神戸などにあるショッピングモールのオリジナルのぼり旗.。のぼりといえば長方形をイメージしますが、まず形が一変。
長方形というよりも、まずそのタテの長さが短くて、底辺の部分にRがついているのぼり旗が、モール内の店舗の店先に並んでいます。さらに驚いたのは、のぼり旗なのに、来場客の視線を奪ってしまうような派手な色使いが、どの店舗ののぼりにも一切使われていないこと。不思議なことにどの地域のモールにも共通しています。
のぼり旗はいくら“オリジナルのぼり旗のオーダーメイド”といっても、大した代わり映えはしないだろうと考えていましたが、上品でおしゃれで控えめなのぼりであっても、モールのような巨大な面積の施設で全店が連携して演出を行なえば、十分なインパクトが得られることも実感しました。
■運営委員会がのぼり旗のオーダーメイドを一括管理
モール内の各店舗をつなぐようにして並んでいるのぼり旗なのに、なぜスッキリとしたおしゃれな感じを演出できるのかというと、それはモールの運営委員会が自主的に取り決めたのぼりの色使いや形の統一が図られているから。よくみると、そのR状ののぼりの地色はどれも地色が白に統一されています。
●ショッピングモールは床面積が大きく来場客数も多いので、店舗ごとにバラバラのデザインにしては、モール内のイメージが壊れてしまう。
●運営委員会が出した結論は、すべてののぼり旗に統一基準をつくり、オリジナルのぼり旗をオーダーメイドで発注すること。
●旗の地色は白色で統一。さらに文字(キャッチフレーズやタイトル)は明朝系のやわらかな書体で統一すること。
●白地の面積に対して、文字・イラスト・写真・画像などの表現面積が、全体の80%を超えないこと。
●最低でも3カ月に1回の差し替えを行なって、来場客に対するアピールを継続すること(季節ごとのメニューや新サービス)。
●オリジナルのぼり旗をオーダーメイドする場合は、各店舗の原案に基づいて、モールの運営委員会がこれを一括管理し発注する。
一般的にRのぼりと呼ばれているこののぼり旗には、同じ旗の形状を活かしたRフラッグという製品もあります。R形状のオリジナルのぼり旗にそのRフラッグを組み合わせて演出することで、モール内の宣伝効果・集客効果はさらに高まるのだとか。エステサロン、ネールサロン、ヘアケア美容サロンをはじめ、飲食店舗、書籍・CDショップ、アパレルショップなど、新しい表情をそこにみることができます。